おはぎとぼたもちの違いとは?同じ説の真相と季節・あんこを徹底解明

おはぎとぼたもちの違いとは?同じ説の真相と季節・あんこを徹底解明に関する疑問や疑問点を徹底的にまとめました。詳細を読もうことができます。

日本人がこの和菓子に対して注いだ情熱の深さは、春と秋の呼び分けにとどまりません。江戸時代の風俗誌『守貞謾稿(もりさだまんこう)』などにも記録されている通り、夏には「夜船(よふね)」、冬には「北窓(きたまど)」という情緒あふれる別名が存在します。

この呼び名が生まれた背景には、餅の製造工程に関する巧みな言葉遊びがあります。通常の餅を作るときには、臼と杵を使って「ペッタン、ペッタン」と大きな音を響かせて搗(つ)く必要があります。ところが、おはぎやぼたもちは米粒の食感を半分残す粗搗き(半搗き)で作るため、すり鉢とすりこぎで静かに米をすり潰すだけで完成し、杵で搗く音が近所に聞こえません。

ここから、近隣の住人には「いつ搗いたのか分からない」という意味の「搗き知らず(つきしらず)」という言葉が生まれました。この「つきしらず」に江戸の庶民は同音異義語を掛け合わせました。

夏は、真っ暗な夜の海を進む船が「いつ港に着いたのか分からない」という情景になぞらえて、「着き知らず」=「夜船」と命名。そして冬は、北側にある窓からは月が見えないことから、「月知らず」=「北窓」と名付けたのです。一つの和菓子を食べる行為の中に、季節の情景と言葉遊びを忍ばせる知性こそ、和菓子の歴史が育んできた比類なき文化遺産と言えます。

吉田 誠

吉田 誠

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest