なぜ初代若乃花は「土俵の鬼」と呼ばれた?栃錦との激闘と知られざる伝説の真相
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青森県室蘭生まれの少年は、極貧の少年時代を生き抜くために身体を鍛え上げた。港湾労働で培われた驚異的な背筋力と粘り強い足腰。これが後に「土俵の鬼」と恐れられる唯一無二の肉体構造を作り出す。怪我に苦しみ、時には高熱を押して土俵に上がり続けた男の辞書に、棄権という文字は存在しなかった。
戦後大相撲の黄金期は、まさに彼の執念によって切り拓かれた。巨漢力士のパワーを真正面から受け止めるのではなく、研ぎ澄まされた体さばきと瞬発力で相手を翻弄する。観客は彼が土俵で見せる土壇場の逆転劇に酔いしれ、己の人生と重ね合わせて熱狂したのだ。