ペットボトル水耕栽培はなぜ失敗する?根腐れを防ぐ自作容器と液肥術
ペットボトル水耕栽培はなぜ失敗する?根腐れを防ぐ自作容器と液肥術とは一体何なのか? 詳しい意味を丁寧に紐解いて紹介します。
ペットボトル水耕栽培において、土植え用の園芸肥料を代用して枯死させてしまうトラブルが多発しています。水耕栽培用培地として食器用スポンジを用い、種まきから育てる場合、植物は水に溶けた成分だけを頼りに生命活動を維持しなければなりません。
一般的な土用液体肥料には、土壌微生物による分解を前提とした有機態窒素が多く含まれており、水の中では分解されずに水質悪化と腐敗を引き起こします。また、植物の細胞壁を強固にするカルシウムや微量要素(鉄、マグネシウム、マンガン)が水溶液中で沈殿しやすいため、極微量しか配合されていません。その結果、葉先が枯れ込むチップバーンや成長停止を招くことになります。
水耕栽培の現場で半世紀にわたりデファクトスタンダードとして君臨しているのが「ハイポニカ液体肥料」です。A液とB液の2本組で構成されており、高濃度状態では互いに反応して結合・結晶化してしまうリン酸とカルシウムを分離してパッケージングしています。使用直前に規定の500倍に希釈することで、植物が必要とする全肥料成分が完全な水溶性イオンとして水中に満たされ、根からの吸収効率が極限まで高まる設計です。
培地となるスポンジの取り扱いにも繊細な配慮が必要です。市販のスポンジ培地には防カビ剤や抗菌加工が施された製品が多く、これが種子の発芽を強く阻害します。必ず「無加工・抗菌剤不使用」のポリウレタンスポンジを選び、2.5cm角のサイコロ状にカットした中央へカッターで深さ5mm程度の十文字(×)の切れ込みを入れます。水を含ませて空気を抜き、切れ込みの窪みに種を1〜2粒静置することが、発芽率を90%以上に引き上げるプロの知恵です。