突然の顎関節脱臼!顎が外れた時の正しい直し方と戻らない時の対処法

話題沸騰中の 突然の顎関節脱臼!顎が外れた時の正しい直し方と戻らない時の対処法について、多角的な視点をご紹介しています。

人間の頭蓋骨において、唯一の可動関節である「顎関節(がくかんせつ)」は、耳の穴の前方あたりに位置している。頭蓋骨側のくぼみである「下顎窩(かがくか)」に、下顎の骨の先端にある球状の突起「下顎頭(かがくとう)」がはまり込み、その間にあるクッションの役目を果たす「関節円板」とともに、蝶番運動と滑走運動を連動させることで自由な開閉運動を可能にしている。

通常、口を大きく開けたとき、下顎頭は下顎窩から前方にある「関節結節」という骨の隆起の手前まで滑り出る。しかし、限界を超えて大きく口を開けた瞬間、あるいは顎の周囲を支える関節包や靭帯が緩んでいる人の場合、下顎頭がこの関節結節を前方に完全に乗り越えてしまう。これが顎関節脱臼(前方脱臼)の正体である。一度乗り越えてしまうと、下顎を閉じる筋肉(咬筋、側頭筋、内側翼突筋)が反射的に緊張・収縮して下顎を引き上げようとするため、下顎頭が関節結節の前にガッチリと挟み込まれ、自力では元のくぼみに戻れなくなる。

「たかが大口を開けただけ」と思われがちだが、あくびで顎が外れる理由の根底には、筋肉の不意な弛緩と急激な過伸展のギャップがある。疲労が蓄積しているときや深睡眠からの覚醒直後、筋肉のコントロールが乱れた状態で強いあくびが生じると、下顎頭が勢いよく飛び出してしまうのだ。

ここで混同されやすいのが顎関節症と脱臼の違いである。顎関節症は主に関節円板のズレや筋肉の慢性疲労、関節の変形によって「口が開かない」「開閉時に音が鳴る」「噛むと痛い」といった症状を呈する慢性的な疾患群を指す。一方、顎関節脱臼は骨の位置関係そのものが物理的に逸脱し、解剖学的にロックされて「口が閉じられなくなる」急性状態であり、緊急の整復処置を要する全く別次元の病態である。

加藤 愛美

加藤 愛美

エンタメ専門ジャーナリスト

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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