新奇場面とは?子どもの場所見知りと心理学・愛着形成の全真相

新奇場面とは?子どもの場所見知りと心理学・愛着形成の全真相について知っておくべき 事実を分かりやすく解説いたします。

日本語の日常表現において、「しんき」という響きからは「新規オープン」や「新規採用」といったビジネス用語を連想しがちです。しかし、辞書や古典資料が示す通り、「新規」が「新しく事を始めるさま」を意味するのに対し、「新奇」は「目新しく珍しいこと、今までにない独特のさま」を指します。平安時代の漢詩文集『田氏家集』(892年頃)にもその用例が見られる歴史ある言葉であり、単なる時系列の新しさではなく「これまでに経験したことがない特異性」を含蓄している点が大きな違いです。

心理学における新奇場面(Novel Situation)とは、被験者(子どもや動物)にとって過去に経験のない物理的環境、未知の他者、あるいは予期せぬ出来事が生起する実験空間やシチュエーション全般を指します。個体がこれまで獲得したスキーマ(認知的枠組み)では処理しきれない「新奇刺激」に直面した際、心身にどのような生理的覚醒や行動変容が起きるかを観察するために設定されます。

とりわけ発達心理学の領域では、子どもが母親などの養育者と一緒に初めての実験室に入った際、部屋に置かれた見慣れない玩具に向かって自発的に近づくか(新奇場面における探索行動)、それとも親の足元に隠れて警戒するか(新奇場面の不安反応)という二律背反の行動パターンを詳細にスコアリングします。この相反する欲求のせめぎ合いこそが、人間の知的好奇心と危機回避能力の発達メカニズムを解き明かす鍵となるのです。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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