トラストファンドベイビーとは?ネポベイビーとの違いと嫌われる真相

トラストファンドベイビーとは?ネポベイビーとの違いと嫌われる真相について見逃せない 理由を厳選して解説いたします。

英語圏の日常会話やソーシャルメディア上で日常的に飛び交うtrust fund baby(トラストファンドベイビー)という表現。この言葉を直訳すれば「信託基金を持つ子供」となりますが、実際のニュアンスは単なる事実の説明にとどまりません。実態としてのtrust fund babyの日本語訳は、「親の遺産や不労所得で働かずに贅沢三昧する道楽息子・娘」「金持ちのドラ息子」という痛烈な皮肉と侮蔑を帯びたスラングです。

このスラングを理解する上で欠かせないのが、欧米の富裕層に深く根付いている信託基金(Trust Fund)の仕組みです。英米法圏における信託基金とは、富を築いた委託者(親や祖父母などのGrantor)が、信頼できる第三者である受託者(信託銀行や資産管理会社などのTrustee)に資産を預け、指定した受益者(子供や孫などのBeneficiary)のために管理・運用・給付させる法的な財産管理システムを指します。

信託契約には極めて詳細な給付条項(Distribution Rules)が組み込まれており、子供が18歳、21歳、あるいは25歳や30歳といった特定の年齢に達した段階で、四半期ごとに数百万円から数千万円規模の配当金が自動的に振り込まれるよう設計されています。中には元本そのものを段階的に引き渡す契約も存在します。富裕層がこの仕組みを好む最大の動機は、資産の散財防止に加え、世代を超えて富を継承する際に発生する連邦遺産税や贈与税を合法的に圧縮するトラストファンドの相続税対策(いわゆる「世代飛ばし信託(GST信託)」や「ダイナスティ・トラスト」)にあります。

自ら価値を生み出さずとも、銀行口座に莫大なキャッシュが供給され続けるシステム。この「生まれながらの経済的チートコード」こそが、トラストファンドベイビーというステレオタイプの揺るぎない土台となっています。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest