歴史的仮名遣いのルール一覧と覚え方!てふてふの謎を徹底解説
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古文の授業で誰もが一度は驚く代表例が、「蝶々(ちょうちょう)」を「てふてふ」と表記するルールです。一見すると奇妙なこの表記は、日本語が辿ってきた2つの大きな音韻変化(発音の変化)を知ることで明快に理解できます。
平安時代初期まで、日本語のハ行子音は現代のような「h」ではなく、唇を破裂・摩擦させる「p」または「ɸ(ファ行に近い音)」で発音されていました。つまり「てふてふ」は、当時は文字通り「tepu-tepu(テプテプ)」または「teɸu-teɸu(テフテフ)」に近い音で発音されていたと考えられています。そこから時代が下るにつれて、次の2段階の変化が起きました。
第1段階:ハ行転呼音(はぎょうてんこおん)による変化
平安時代中期以降、語頭以外のハ行(語中・語尾の「は・ひ・ふ・へ・ほ」)が弱体化し、「ワ・イ・ウ・エ・オ」の音へと変化しました。これにより、「てふてふ」の語中・語尾にある「ふ」が「う」へと変わり、「te-u-te-u(てうてう)」という発音に移行します。
第2段階:母音の融合(連母音の長音化)
中世(鎌倉・室町時代)に入ると、連続する母音「e+u(エ+ウ)」が滑らかに合体し、「yo-(ヨー/ちょう)」という長音へ変化しました。「て(te)+う(u)」が合体して「ちょう(tyô)」の響きになり、結果として「てふてふ」が現代の「ちょうちょう」という発音に行き着いたのです。
このように、「文字のスペル(歴史的仮名遣い)」は平安初期の原音を保存したまま固定化され、「実際の発音」だけが時代とともに変化していった結果、表記と読みの間に大きなギャップが生じることになりました。