スポーツ史を揺るがした「世紀の誤審」はなぜ起きた?衝撃の真相と審判の現在

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世紀の誤審が起きるたびに、ファンの間では「なぜビデオ判定を導入しないのか」という議論が巻き起こってきました。しかし、歴史を紐解くと、各競技連盟が機械判定の導入を長年拒み続けた背景には、単なる頑迷さだけではない競技特性の壁がありました。

サッカー界においてFIFAが長年掲げてきたのは「ゲームの流れ(プレーの連続性)の維持」と「世界中どこの草サッカーでも同じルールでプレーできる普遍性」でした。高価なカメラ機材を要する判定システムは、裕福なプロリーグと育成年代・アマチュアの間に格差を生むと懸念されていたのです。しかし、2010年南アフリカW杯でイングランド代表フランク・ランパードの放ったシュートが完全にゴールラインを割っていたにもかかわらずノーゴールと判定された事件を機に、当時のゼップ・ブラッターFIFA会長は方針を180度転換しました。

2018年ロシアW杯から正式導入されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)は、「はっきりとした明白な間違い(Clear and obvious error)」のみを正す目的で運用が開始されました。2026年の北中米W杯を迎えた現在では、ボール内部にチップを埋め込んだコネクテッド・ボール技術と複数台の専用トラッキングカメラを連動させた「半自動オフサイドテクノロジー(SAOT)」が標準化され、数ミリ単位の判定がわずか数秒で下されるようになっています。

プロ野球(NPB)でも、2010年の本塁打リプレー検証導入を皮切りに、2018年からは監督が判定に異議を申し立てられる「リクエスト制度」が定着しました。導入当初は「審判への冒涜」「試合時間の長期化」を危惧する声が根強くありましたが、判定の正確性が飛躍的に向上したことで、現在ではファン・選手双方にとって不可欠なインフラとして受け入れられています。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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