上野の西郷隆盛像はなぜ浴衣姿?妻の「似てない」発言と建立の真相
上野の西郷隆盛像はなぜ浴衣姿?妻の「似てない」発言と建立の真相の詳細について、最新情報を詳しくお届けします。
上野の西郷隆盛像を美術的観点から見ると、近代日本彫刻の粋を集めた傑作であることがわかります。人物本体を手掛けたのは、『老猿』などの国宝級作品で知られる彫刻界の巨匠・高村光雲(詩人・高村光太郎の父)です。
像の高さは約3.7メートル(台座を含めると約8メートル超)。この巨大なブロンズ像を制作するにあたり、高村光雲は鑑賞者が下から見上げることを緻密に計算し、あえて頭部を大きく、上半身を前にせり出すような比率で設計しました。
もし等身大の正確なプロポーションで巨大像を作ると、地上から見上げた際に頭が小さく縮んで見え、迫力が失われてしまいます。光雲は「遠視効果(パースペクティブ補正)」を極限まで計算し尽くすことで、見上げたときに最も自然で堂々とした体躯に見えるよう造形したのです。風になびく着物のひだや帯の結び目、草履の質感に至るまで、木彫の技法をブロンズ鋳造に落とし込んだ超絶技巧が宿っています。