家に出る蜘蛛は殺すべき?放置のメリットと危険な毒蜘蛛の見分け方
家に出る蜘蛛は殺すべき?放置のメリットと危険な毒蜘蛛の見分け方に関する疑問や疑問点をわかりやすくまとめました。要点を確実におさえることができます。
日本では古来、「朝の蜘蛛は福を呼ぶから殺すな、夜の蜘蛛は盗人を呼ぶから殺せ」という言い伝えが広く知られています。迷信のように思えるこの民間伝承ですが、民俗学と生物行動学の双方から読み解くと、極めて合理的かつ知的な生活の知恵が隠されていたことが分かります。
蜘蛛が巣を張るタイミングは、気圧配置と密接に連動しています。多くの造網性蜘蛛は、気圧が高く天候が安定する晴天の早朝に網を再建・補強します。つまり「朝に蜘蛛が活発に動いている=好天に恵まれる」サインであり、農作業や旅立ちが順調に進む吉兆と捉えられたのです。反対に、夜間に室内を徘徊する蜘蛛は、夜行性の害虫(ゴキブリや南京虫)が蠢いている証拠であり、戸締まりの甘さや衛生環境の悪化、ひいては盗賊の侵入リスクと心理的に結びつけられました。
そして、現代において蜘蛛を殺してはいけない理由の最大の根拠とされるのが、アシダカグモとゴキブリの関係です。駆除の専門家の間では「軍曹」の愛称で敬意すら払われるアシダカグモは、卓越したプレデター(捕食者)です。
彼らは待ち伏せ型の狩りを行い、成虫のクロゴキブリを一晩に2〜3匹捕食することも珍しくありません。驚くべきことに、アシダカグモは満腹であっても目の前を動くゴキブリを見過ごさず、噛み殺して放置し、次の獲物を狩り続けます。一般家庭にアシダカグモが1匹住み着いた場合、「わずか2〜6カ月でその家屋のゴキブリが絶滅に追い込まれる」といわれるほどの圧倒的掃討能力を誇ります。害虫を狩り尽くすと、自ら餌を求めて自然と隣家へ旅立っていく潔さも、彼らが「殺してはならない究極の益虫」と呼ばれる所以です。