苦土石灰と有機石灰の違いとは?植え付け待ち時間と失敗ゼロの選び方
苦土石灰と有機石灰の違いとは?植え付け待ち時間と失敗ゼロの選び方について詳しく解説いたします。詳細な分析をチェックしてください。
石灰資材を理解する上で避けて通れないのが、消石灰(水酸化カルシウム)を含めた3者の特性比較です。農業普及指導センターの指導データや資材分析値をもとに、各資材の役割を正確に分類する必要があります。
消石灰は生石灰に水を加えて消和させた強アルカリ性(pH12以上)の資材で、即効性で土壌酸度を一気に引き上げる力を持ちます。しかし、扱いを誤ると皮膚を腐食させる危険性があり、散布から定植まで2〜3週間の隔離期間を要する上、土壌有機物を急速に消耗させて土を硬く締まらせるデメリットを抱えています。そのため、現代の家庭菜園では扱いやすい苦土石灰や有機石灰が主流の座を占めています。
苦土石灰の最大の強みは、名前に冠された「苦土(マグネシウム)」を約10〜15%含有している点です。マグネシウムは植物の血液ともいえる葉緑素の中心を構成する不可欠なミネラルです。連作や長雨によってマグネシウムが流亡した圃場では、下葉の葉脈間が黄色く退色するクロロシス(黄化症)が頻発します。苦土石灰は、土壌酸度(pH)の矯正と光合成効率を高めるマグネシウム補給を同時に完結できる合理性を備えています。
これに対し、有機石灰はマグネシウムをほとんど含まない(0.5〜1%未満)ものの、海洋由来のカキ殻石灰ならではの強みとして、ホウ素、マンガン、亜鉛、鉄といった微量要素(微量ミネラル)を豊富に抱え込んでいます。さらに多孔質な構造が有用微生物の棲み家となり、土壌の団粒構造化を促す土壌改良効果も兼ね備えているのが特徴です。