コチのさばき方完全攻略!トゲの危険回避と極上薄造りの全手順
コチのさばき方完全攻略!トゲの危険回避と極上薄造りの全手順の基本情報から最新動向までをわかりやすく整理しました。
サクを取った後に立ちはだかる最大の壁が「皮引き」と「小骨の処理」です。コチの皮はサメやエイを思わせるほど強靭で伸縮性があり、並大抵の力加減では途中で皮が千切れて身側に残ってしまいます。
まず行うべきはコチの骨抜きと下処理です。三枚におろした身の中央には、太く硬い血合い骨が斜め上方に向かって並んでいます。一般的な白身魚のように骨抜きで一本ずつ抜こうとすると、肉質が強固なため身が裂けてしまいます。一流の和食店では、この血合い骨のラインを挟むようにV字に切り込みを入れて骨ごと切り落とし、背身と腹身の2本の短冊に分ける「節取り」が基本手順となっています。
続いてコチの皮引きのコツを押さえましょう。
【皮引きを成功させる3つの掟】
1. まな板と包丁、手の水分をペーパーで完全に拭き取る(滑りは失敗の元凶)。
2. 尾側の端の身を1cmほどめくり、皮の端を指先で強く押さえる(滑り止めに布巾を使うと確実)。
3. 包丁を動かすのではなく、皮を左右に揺らしながら引っ張る。刃の角度はまな板に対してほぼ水平(約5〜10度)を保ち、押し付けすぎず皮のテンションで切り進めます。
皮が引けたら、いよいよコチの刺身と薄造りのコツの実践です。マゴチの筋肉繊維は非常に緻密で弾力があるため、マグロのような平造りにすると硬くて噛み切れません。皿の模様が透けて見えるほどの「そぎ切り(削ぎ切り)」に仕立てるのが絶対条件となります。
柳刃包丁(なければ切れ味を研ぎ澄ました牛刀)の刃元を身の右端に当て、刃を極限まで左に寝かせます。身の繊維に対して斜めに刃を滑り込ませ、包丁の長さをフルに使って一気に手前へ引き切ります。切り終えた身を指先でふわりと持ち上げ、大皿の外側から円を描くように盛り付けていけば、家庭でも料亭と寸分違わぬ芸術的な薄造りが完成します。ポン酢、もみじおろし、刻んだ細ネギとの相性は白身魚の中でも随一です。
ここで絶対に忘れてはならないのが、コチのアニサキスと寄生虫対策です。沿岸の砂泥底に棲むマゴチは、エビや小魚を捕食するためアニサキス幼虫の寄生リスクを常に抱えています。厚生労働省のガイドラインに基づき、内臓周辺の筋肉を目視で丹念にチェックしてください。アニサキスは目視可能な約1〜2cmの白色の線虫です。さらに、薄造り自体が「身を薄く切ることで万が一の虫体を物理的に切断する」という極めて有効な安全対策として機能します。内臓を生で食べることは絶対に避け、不安がある場合はマイナス20度以下で24時間以上冷凍するか、加熱調理を選択してください。