有田焼と伊万里焼の違いとは?実は同じ噂の真相とプロの見分け方
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店頭や骨董市で器を手に取った際、何を手がかりに見分ければよいのでしょうか。陶磁器の鑑定士や熟練バイヤーが重視するポイントは、「器の裏面(高台周り)」と「絵付けの様式美」の2点に集約されます。
現代の伊万里焼、とりわけ伊万里市南部の山あいに位置する大川内山(おおかわちやま)の鍋島藩窯跡をルーツとする作品には、極めて明確な識別サインが存在します。江戸時代、佐賀藩(鍋島家)は将軍家や諸大名への献上品専用の磁器を作るため、外界から完全に遮断された大川内山に「藩窯」を設置しました。技術の漏洩を防ぐために関所を設け、最高の陶工を集めて作らせたのが「鍋島焼」です。
この血統を受け継ぐ現代の伊万里焼には、以下の決定的な特徴が現れます。
1. 櫛目高台(くしめこうだい):器の底面にある高台の側面に、櫛の歯のような連続文様が染付で描かれているものは、鍋島様式(伊万里焼)の代名詞です。かつて庶民の器には使用が許されなかった最高峰の格式を示す記号でした。
2. 独特の形状「木盃形(もくはいがた)」:木製の盃を伏せたような、高台が高くすっきりと立ち上がる端正なプロポーションは、鍋島焼の典型的な造形美です。
3. 鍋島青磁の上品な翡翠色:大川内山で産出される青磁鉱石を用いた青磁器は、深い透明感を持つ淡い青緑色が特徴で、有田の華やかな赤絵とは一線を画す静謐な存在感を放ちます。
対する有田焼の真骨頂は、乳白色の「濁手(にごしで)」素地に余白を美しく残した柿右衛門様式や、金泥と赤絵を贅沢に焼き付けた金襴手(きんらんです)にあります。器の裏側を見て、窯元名(例えば「香蘭社」「深川製磁」「源右衛門」など)の銘が入っているものや、絵画的な構図が器全体に広がっているものは有田焼の可能性が極めて高いといえます。