平家物語「扇の的」徹底解説!那須与一の心理と奇跡の一射の真相

平家物語「扇の的」徹底解説!那須与一の心理と奇跡の一射の真相に関する主要なデータを分かりやすく解説いたします。

義経から「扇を射てみよ」と下知された与一は、当初「外せば末代までの恥になる」として固辞しました。しかし、義経は激怒し「我が命に従わぬ者は、ここから立ち去れ」と命じます。鎌倉武士にとって主命拒否は即ち死を意味し、一族郎党の破滅を招くものでした。与一には「辞退する自由」など最初から存在しなかったのです。

与一は愛馬を海中に乗り入れ、的を見据えます。その距離はおよそ七十余間(約130メートル)。しかも折悪しく北風が強く吹き荒れ、白波が立ち、小舟も扇も激しく揺れ動いていました。物理的にも命中させることは極めて困難な条件下です。

追い詰められた与一の胸中は、作中で次のように鮮烈に描写されています。

「与一、目をふさいで、『南無八幡大菩薩、我が国の神明、日光権現、宇都宮、那須の湯泉大明神、願はくは、あの扇の真ん中射させてたばせたまへ。これを射損ずるほどならば、弓切り折り自害して、人に二度面を向かふべからず』」

与一は目を閉じ、故郷である下野国(栃木県)の鎮守や八幡大菩薩に祈りを捧げました。神仏の加護を乞うと同時に、「外したら弓をへし折って自害する」という背水の陣の覚悟を固めたのです。目を開いた瞬間、猛烈に吹き荒れていた風が奇跡のようにふっと弱まり、扇が射やすい位置で静止しました。与一は一切の雑念を捨て、矢を放ったのです。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest