ウールリッチのタグ年代判別術|羊の向きとUsa製で暴く価値の決定的真相
ウールリッチのタグ年代判別術|羊の向きとUsa製で暴く価値の決定的真相の特集記事をご紹介します。専門的な知識が詰まっています。
ウールリッチの歴史を語る上で絶対に外せない二大巨頭が、アラスカのパイプライン建設作業員のために開発された「アークティックパーカ(Arctic Parka)」と、19世紀から続く伝統の「マッキーノジャケット(Mackinaw Jacket)」です。この2つの名作は、タグだけでなくボディの構造やパーツを見ることで、より精緻なウールリッチ古着年代見分け方が可能になります。
1. ウールリッチ アークティックパーカの年代判別
1972年に誕生したアークティックパーカは、過酷な極寒地での作業に耐えうるダウンジャケットとして一世を風靡しました。初期70年代のモデルは「白タグ」が首元に付き、大ぶりの真鍮製ダブルTALONジッパーが採用されています。さらにフード周りのリアルコヨーテファーはボリュームがあり、防風性を高めるためにフェイスガードの立ち上がりが深く設計されています。
80年代に入ると「紺タグ」へとバトンタッチされ、ジッパーがYKK製の大型プラスチック(ビスロン)ジッパーへと変更される個体が増加します。そして最大の分岐点となるのが、イタリア企画(WPラヴォリ社との提携)による現行ラインとの違いです。ヴィンテージのアークティックパーカは身幅が広く着丈も長めの無骨なアメリカンシルエットですが、2000年代以降の現行品はスーツの上からも羽織れるモダンでシャープなシルエットに再構築されています。本場アメリカ規格の武骨さを味わうなら、間違いなく70〜80年代のUSA製が狙い目です。
2. ウールリッチ マッキーノジャケットのヴィンテージ鑑定
赤と黒のバッファローチェックで知られるマッキーノジャケットは、ウールリッチの原点です。50年代の筆記体タグが付くヴィンテージマッキーノは、現行品とはウールの密度が段違いです。手にとった瞬間にずっしりと沈み込む超肉厚の24オンス〜30オンスメルトンウールが使用されており、防風・撥水性能を物理的な重厚さで担保していました。
フロントの大型フラップポケット、背面全体が二重になったゲームポケット(獲物を入れるポケット)、そして天然素材のベークライトボタンや大型尿素ボタンなど、当時のハンティングカルチャーを物語るディテールが凝縮されています。60年代の三角タグ期になると、襟裏にチンストラップが付く個体やジッパーフロント仕様(TALON社製)も登場し、ワークウェアとしての実用性が極限まで高められていきました。