マラソン前の食事で実はNgな食材とは?完走へ導く前日当日の新常識
マラソン前の食事で実はNgな食材とは?完走へ導く前日当日の新常識に関する基本知識を初心者にも親しみやすくまとめました。今すぐチェックことができます。
マラソン前のコンディショニングにおいて、摂取すべき栄養素以上に神経を尖らせるべきなのが「何を口にしてはいけないか」というリスク管理です。多くのランナーが良かれと思って口にし、レース中の失速を招くマラソン前に食べてはいけないものには、明確な生理学的理由が存在します。
運動生理学の知見によれば、走行中の人体は筋収縮を維持するため、心臓から送り出される血液の最大80%近くを骨格筋へと優先的に配分します。その結果、内臓へ送られる血流量は安静時の20〜30%程度にまで激減する「消化管虚血(Splanchnic Ischemia)」と呼ばれる状態に陥ります。この極度の血流不足の中で胃腸内に未消化物が残留していると、腸管粘膜のバリア機能が低下し、激しい痙攣痛やガス溜まり、急激な便意(ランナー下痢)を直接引き起こします。
具体的に避けるべきフルマラソン前日NGな食べ物の代表格は以下の4カテゴリーです。
第1に「高食物繊維の食材」です。ごぼう、れんこん、きのこ類、海藻類、そして生野菜サラダ全般が該当します。不溶性食物繊維は腸内で水分を吸収して膨らみ、蠕動運動を過剰に刺激するため、レース最中の激しい腹痛や頻尿・下痢の元凶となります。大会前々日の夜からは、生野菜の摂取を完全に控え、野菜を摂る場合も加熱調理された少量の根菜程度に留めるのが鉄則です。
第2に「高脂質な食事」です。豚カツ、天ぷら、霜降りステーキ、カレーライス、ラーメン、洋菓子などは消化に4〜6時間以上の長時間を要します。前夜に食べた油分が胃もたれとして残り、当日の朝食吸収を妨げるだけでなく、走行中の吐き気の主原因となります。
第3に「生モノ・未加熱食品」です。刺身、生牡蠣、生卵、レア肉などは、コンディション調整期における免疫力低下と重なり、食中毒や急な腹痛のリスクを跳ね上げます。実業団トップランナーの合宿においても、レース1週間前からの生モノ全面禁止令は基本規律として徹底されています。
第4に「刺激物および発酵系甘味料」です。過度な香辛料(カプサイシンなど)は胃粘膜を荒らし、人工甘味料(マルチトールやソルビトールなど)を含むゼロカロリー食品は浸透圧性下痢を誘発する恐れがあります。これらを徹底的に排除することこそが、マラソン中の胃腸トラブル対策の第1歩です。