トレンデレンブルグ徴候とは?原因とデュシェンヌ徴候の違いを徹底解説
トレンデレンブルグ徴候とは?原因とデュシェンヌ徴候の違いを徹底解説の基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。
人が二足歩行を行う際、片足を前に踏み出す瞬間、もう一方の足は「片脚立ち」の状態になります。このとき、重力によって浮いている足(遊脚側)の骨盤は下方へと引っ張られますが、健康な身体であれば骨盤はほぼ水平に保たれます。この水平保持を担う主役こそが、骨盤の側面に位置する中殿筋と小殿筋です。
トレンデレンブルグ徴候の決定的な引き金となる中殿筋麻痺 メカニズムは、力学的な「てこの原理(第1種てこ)」で説明できます。股関節の骨頭を「支点」、体重による下向きの負荷がかかる身体の中心を「作用点」、そして中殿筋が付着する大転子を「力点」とした場合、中殿筋が力強く収縮することで初めて骨盤の水平が保たれます。しかし、この筋肉が麻痺したり筋力が著しく低下したりすると、重力モーメントに抗しきれなくなり、浮いている側の骨盤が支えを失って下落してしまいます。
この現象が歩行サイクルの中で連続して現れる状態をトレンデレンブルグ歩行 特徴と呼びます。歩行の立脚相(足が地面に着いている期間)を迎えるたびに骨盤が左右にグラグラと揺れるため、非常に不安定でエネルギー消費の激しい歩行パターンを呈します。臨床現場における骨盤下垂 判定基準としては、患者に両腕を胸の前で組ませた状態で片脚立ち(約30秒間)を行わせ、約5秒以内に遊脚側の骨盤が水平以下に傾くかどうかを後方から視診触診して確認します。