プロ野球選手を襲う有鉤骨骨折の真相|手術全治期間と復帰のリアル

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有鉤骨骨折が厄介とされる最大の理由は、受傷直後の診断難易度が極めて高い点にあります。手のひらの痛みを訴えて近隣のクリニックを受診しても、一般的な正面・側面のX線(レントゲン)写真では他の手根骨と影が完全に重なってしまい、骨折線がほとんど写りません。

日本手外科学会等の報告によると、一般的なレントゲン撮影のみによる初期診断での見逃し率は相当数に上るとされ、現場ではしばしば「手のひらの打撲」「腱鞘炎」「筋肉の炎症」といった誤診が下されてきました。痛みを抱えたまま「数週間安静にしていれば治る」と信じて湿布でごまかし、競技を継続してしまう選手が後を絶ちません。

受傷時の特徴的な初期症状には、明確なサインが存在します。以下のチェックポイントに該当する場合、単なる打撲ではなく有鉤骨骨折を強く疑う必要があります。

  • 手のひらの小指側(手首のしわから指2本分ほど指先側のふくらみ)を親指で強く押すと、飛び上がるような激痛(ピンポイントの圧痛)がある。
  • ドアノブを回す、ペットボトルのキャップをひねる、タオルを固く絞るといった回旋動作で手首に鋭い痛みが走る。
  • 小指や薬指にピリピリとした痺れや動かしにくさを感じる(有鉤骨のすぐ横を通る尺骨神経の圧迫)。

放置して骨折部が離断したまま放置されると「偽関節(ぎかんせつ)」と呼ばれる癒合不全状態に陥ります。さらに深刻なケースでは、骨折した骨の断端がヤスリのように擦れ合い、隣接する深指屈筋腱を摩耗させて小指や薬指の腱が自然断裂するという、選手生命に関わる重篤な後遺症に直結することもあります。したがって、打撃時の手の痛みが数日経っても引かない場合は、迷わず手根管撮影(特殊なX線アングル)や、3D-CT検査に対応できる手の専門医を受診することが鉄則です。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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