苦土石灰と有機石灰の違いは?すぐ植えられる理由と土作りの極意
苦土石灰と有機石灰の違いは?すぐ植えられる理由と土作りの極意について徹底解説いたします。最新の情報をお届けします。
園芸資材としての石灰は、酸性に傾いた土壌のpHを野菜の好む弱酸性(pH6.0〜6.5前後)に整える土壌pH酸度調整を主目的として投入されます。しかし、苦土石灰と有機石灰では、原料から化学反応のプロセス、含まれる栄養素まで根本的に異なります。
苦土石灰の主原料は「ドロマイト(白雲石)」と呼ばれる天然の鉱石です。炭酸カルシウム(アルカリ分約53〜55%)と炭酸マグネシウム(苦土分約10〜20%)で構成されており、植物の葉緑素を構成する必須栄養素であるマグネシウムを土壌に同時に補給できる強みを持ちます。水に対する溶解速度が比較的速く、散布後速やかに酸度を矯正できる反面、土壌環境が一時的に激変するため、土壌微生物相や根への負担を考慮して散布から植え付けまで最低でも1〜2週間の養生期間を要します。
対する有機石灰は、カキやホタテなどの貝殻、あるいは鶏卵の殻を細かく粉砕・加熱処理した天然由来の資材です。主成分は炭酸カルシウムですが、海の恵みであるカキ殻石灰の効果と特徴として、亜鉛、銅、マンガン、アミノ酸といった天然の微量要素を豊富に含んでいます。水への溶解度が極めて低く、土壌中の有機酸(作物の根や微生物が出す酸)に触れて初めて少しずつ溶け出すため、土壌のpHを過剰に跳ね上げることがありません。
また、園芸初心者からプロ農家まで比較対象となる代表的石灰資材のスペックを以下の比較表にまとめました。強烈なアルカリ性を持つ消石灰との違いも含めて確認しておきましょう。
農業現場でかつて多用された消石灰と苦土石灰の違いとして特筆すべきは、消石灰が強アルカリの水酸化カルシウムであり、素手で触ると皮膚を痛め、土中の窒素と触れると猛烈なアンモニアガスを放つ危険性がある点です。現在、家庭菜園の主流が苦土石灰や有機石灰へと完全に移行しているのは、扱いやすさと安全性において圧倒的な差があるためです。