「死刑のみ」の外患誘致罪とは?一度も適用されない理由と告発の真相

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刑法第81条には、次のように極めて簡潔かつ重い条文が刻まれています。「外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する」。これが外患誘致罪の構成要件であり、外患誘致罪の法定刑は「死刑」ただ一つです。日本の現行法において、法定刑の下限も上限も死刑しか選択肢がない犯罪は、この外患誘致罪以外に存在しません。

これほど苛烈な法定刑が定められている理由は、保護法益(法律が守ろうとする利益)の大きさに直結しています。殺人罪(刑法199条)が個人の生命を守るための罪であるのに対し、外患誘致罪は「国家存立に対する罪」の頂点に位置づけられています。国家そのものが武力攻撃によって侵略・消滅させられれば、そこに暮らす数千万人、一億人規模の国民の生命、財産、主権が一瞬にして奪われます。法制史上、国家の破滅と無数の市民の死を招く最大の裏切り行為とみなされているため、最高刑である死刑のみが規定される理由となっています。

法学上の解釈を整理すると、刑法81条自体の法定刑は死刑のみですが、裁判官が法廷で審理する過程において「自首による減軽(刑法42条)」や「情状酌量による減軽(刑法66条・68条)」が適用された場合に限り、無期懲役や10年以上の懲役に減軽される余地は理論上残されています。しかし、条文の出発点そのものが「死刑」に固定されている重みは、他のいかなる刑罰とも一線を画しています。

国家存立の危機を未然に防ぐため、法律は未遂行為(刑法87条)はもちろん、計画を立てる「陰謀」や準備を進める「予備」(刑法88条、1年以上10年以下の懲役)の段階でも厳しく処罰することを明記しています。さらに破壊活動防止法第38条第1項により、外患誘致罪の教唆や煽動を行った者にも7年以下の懲役又は禁錮が科されるなど、国家防衛のための二重三重の網が敷かれています。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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