肺が痛い原因は重大疾患か?息を吸うと痛む危険なサインと受診基準

肺が痛い原因は重大疾患か?息を吸うと痛む危険なサインと受診基準について専門的な視点から解説いたします。最新の情報をチェックしてください。

息を大きく吸い込んだときに「ズキッ」「ピキッ」と胸の奥が痛む場合、疑うべき代表格が胸膜炎です。肺は「臓側胸膜」、胸郭の内側は「壁側胸膜」という2枚の膜で覆われており、その隙間にはわずかな胸水が存在して滑らかな呼吸運動を助けています。しかし、細菌・ウイルスの感染や自己免疫疾患によって炎症が起きると、息を吸って肺が膨らんだ瞬間に神経が密集している壁側胸膜と摩擦を起こし、鋭い痛みとして知覚されます。深呼吸や咳、くしゃみをするたびに痛みが著しく増悪するのが胸膜炎症状チェックにおける最大の特徴です。

一方で、発熱や咳などの風邪症状が一切ないにもかかわらず、ある瞬間突然に痛みが走った場合は自然気胸を強く疑う必要があります。気胸とは、肺の表面にできた「ブラ」と呼ばれる小さな空気の袋(嚢胞)が破れ、肺から胸腔内に空気が漏れ出して肺が風船のようにしぼんでしまう病態です。やせ型で胸郭の薄い10代〜30代の若い男性に好発する特発性自然気胸だけでなく、近年では喫煙歴を持つ中高年のCOPD(慢性閉塞性肺疾患)を背景とした続発性気胸も急増しています。「咳・熱なしだから感染症ではない」と高をくくっていると、虚脱した肺が胸腔内の圧力を高め、心臓を圧迫する緊張性気胸へと移行して致命的なショック状態に陥るリスクすら潜んでいます。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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