新巻鮭とは?塩鮭との違いや名前の由来から失敗しない捌き方まで徹底解説
新巻鮭とは?塩鮭との違いや名前の由来から失敗しない捌き方まで徹底解説について分かりやすく解説いたします。専門家の見解をお届けします。
「あらまき」という言葉には、「新巻鮭」と「荒巻鮭」という2つの表記が存在します。この2つに製法上の違いがあるのかと疑問を抱く方も少なくありませんが、結論から言えば同じものを指しており、歴史的な表記の変遷による違いです。
歴史資料および辞書編纂の記録(『コトバンク』『サードペディア百科事典』等)によると、その起源は遠く室町時代にまで遡ります。当時、塩漬けにした鮭を長期保存・運搬する際、藁(わら)で編んだ粗末なむしろである「荒莚(あらむしろ)」で巻いて塩俵にしたことから「荒巻(あらまき)」と呼ばれるようになりました。
転機が訪れたのは江戸時代後期です。物流網が整備され、松前藩(現在の北海道)から日本海を経由して大量の鮭が江戸や京・大坂へと運ばれるようになると、次第に本来の「荒莚で巻く」という意味合いが薄れていきました。
代わりに商人や庶民の間で、「その年の秋に獲れたばかりの初物」「今年新しく収穫された新物の鮭」という意味を込めて、縁起の良い「新」の字を充てた「新巻」という表記が爆発的に定着していきました。現在でも公的な水産用語やギフト商戦では「新巻鮭」の表記が主流ですが、歴史的・民俗学的な文脈では「荒巻」の文字が用いられることも多く、どちらを用いても間違いではありません。