ミスファイアリングシステムとは?仕組み・車検・後付けの罠を完全解剖
ミスファイアリングシステムとは?仕組み・車検・後付けの罠を完全解剖について重要なポイントを解説いたします。最新の情報をチェックしてください。
「ミスファイアリングシステムを装着した車両は車検に通るのか」という問いに対する法的な結論は、「作動可能な状態で公道を走行すれば、複数の保安基準に違反し車検不適合となる極めて高いリスクを抱える」という点に尽きます。
国土交通省が定める「道路運送車両の保安基準」において、自動車には厳しい騒音基準と排出ガス浄化性能が義務付けられています。ミスファイアリングシステムの作動音は、小銃の射撃音や爆竹に匹敵する100dB〜110dB以上の衝撃波を発生させます。平成10年以降や令和の最新騒音規制における乗用車の近接排気騒音規制値(車種や年式により約89dB〜96dB以下)を確実にオーバーします。
排気ガス浄化装置(三元触媒)との両立が不可能です。触媒の内部はハニカム構造のセラミックや金属箔に白金・ロジウムなどの貴金属を担持させたデリケートな構造をしています。エキゾースト内で1,000℃近い未燃ガスの爆発が起きれば、触媒のハニカム担体は一瞬で溶損(メルトダウン)するか、爆風の物理的圧力で粉々に粉砕されて排気管から吹き飛んでしまいます。
触媒が破損・機能停止した車両は、排ガス検査におけるCO(一酸化炭素)やHC(炭化水素)の濃度基準を大幅に超過するため、車検ラインを一歩も通過できません。公道上で意図的に炸裂音を轟かせながら走行する行為は、道路交通法第71条第5号の3「消音器不備・騒音運転等の禁止」に抵触し、警察による取り締まりや整備不良切符の交付対象となります。
サーキット専用車両として製作し、公道走行時はECUのマップ切り替えスイッチによってシステムを物理的に遮断・完全無効化し、通常走行モードでの排ガスと騒音基準をクリアした上で公認を取得する例外的なケースを除き、街乗り車での常用は法規上あり得ない選択肢です。