よりどりみどりの「みどり」はなぜ?語源の真相と恥をかかない使い方
よりどりみどりの「みどり」はなぜ?語源の真相と恥をかかない使い方の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。
「選り取り見取り」という言い回しが定着した背景には、江戸時代の商業文化と大衆芸能の発展が深く関わっています。文献学や語源研究においてはいくつかの諸説が存在しますが、最も有力視されているのが「商人の売り声・啖呵売(たんかばい)」から広まったとする説です。
江戸の長屋街を行き交う物売りや、縁日の露天商たちは、客の足を止めるためにリズミカルで威勢のよい掛け声を次々と生み出しました。「さあ選り取り、見取りだよ!」と韻を踏むフレーズは、耳触りがよく庶民の購買意欲を大いに刺激しました。落語の小噺や歌舞伎の台詞回しにも見られる「七五調」や「同音反復」の快感が、この言葉を一過性の流行語から永続的な慣用句へと押し上げた原動力です。
一方で、近世文学研究者の一部からは、芝居小屋の看板や浮世絵の品定めにおいて「目で見て楽しんでから選ぶ」という鑑賞文化が根底にあったとする説も提示されています。いずれの諸説においても共通しているのは、日本人が昔から持っていた「言葉の響きを楽しみ、日常の買い物を娯楽化する知恵」が結晶化した表現であるという事実です。