双極性障害を公表した有名人の現在と告白の真相|光と影の葛藤
双極性障害を公表した有名人の現在と告白の真相|光と影の葛藤にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。
世間が最も関心を寄せるのは、「公表した彼らは現在どうしているのか、本当に仕事を継続できているのか」という点でしょう。結論から述べれば、双極性障害を公表した多くの表現者が、活動休止や環境調整を経て表現の場へ復帰を果たしています。ただし、そこには「元通りのハイテンションでがむしゃらに働く」状態への回帰ではなく、「病気との共生」という新たな活動スタイルの確立があります。
世界的なポップアイコンであるマライア・キャリーは、2001年に双極Ⅱ型障害の診断を受けながらも、キャリアへの悪影響を恐れて約17年間にわたり病を秘匿し続けました。しかし2018年、米People誌の手記にて告白を決断。「最近まで孤立と恐怖の中で生き、誰かに暴露されるのではないかという恐怖に怯えていた。しかし適切な治療を受け、前向きな人々に囲まれることで、再び音楽へ情熱を注げるようになった」と語り、現在も世界的歌姫として第一線で歌い続けています。
女優・シンガーのセレーナ・ゴメスもまた、2020年に双極性障害の診断を公表した一人です。自らのメンタルヘルスの旅路を記録したドキュメンタリー映画『My Mind & Me』(2022年)では、躁状態での過剰な思考の奔流とうつ状態での無力感を包み隠さず公開。現在は自身のコスメブランドを通じて若者のメンタルヘルス支援基金を立ち上げるなど、闘病の経験を社会貢献へと昇華させています。
一方、国内の文化人として歴史的に知られるのが、作家で精神科医でもあった北杜夫です。彼は自著『どくとるマンボウ躁鬱記』の中で、自身の躁状態における途方もない浪費や奇矯な行動、そしてその後に訪れる完全な沈黙をユーモアと冷徹な筆致で描き出しました。病気をいたずらに美化することも過度に悲観することもなく、「付き合っていく宿命」として捉える彼の姿勢は、現代のタレントやアーティストたちにも通底する回復のモデルケースといえます。