北九州監禁殺人事件の深層|洗脳と通電の密室、残された親子の現在
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事件が社会に露見した発端は、2002年3月6日、福岡県北九州市小倉北区片野のマンションから監禁状態にあった当時17歳の少女(広田由紀夫さんの長女・仮名:清美さん)が祖父宅へと脱走し、警察に救助を求めたことでした。少女の証言をもとに警察が現場へ踏み込み、同月7日に松永太と内縁の妻である緒方純子を逮捕しました。
逮捕当初、事件は単なる少女への監禁・傷害事犯として報じられていましたが、取り調べが進むにつれて驚愕の事実が浮かび上がります。少女の父である広田由紀夫さん(1996年死亡)をはじめ、緒方純子の両親、妹夫婦、その幼い子ども2人に至るまで、計7名が同一のマンション内で命を奪われ、浴室で解体・遺棄されていたという告白でした。
報道各社の取材データや確定判決の記録によると、犯行が行われた片野マンションは、外部から完全に遮断された密室でした。窓は目張りされ、外出や会話、排泄、睡眠に至るまで松永による厳格な「許可制」が敷かれていたとされています。被害者たちは逃走する機会が物理的に全くなかったわけではないにもかかわらず、精神的な拘束によってその場に留まり続け、松永の指示に従って家族同士で手を下す悲劇へと追い詰められていきました。