渋谷シネマライズ跡地の現在と閉館理由|Wwwへ継がれた伝説の全貌
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渋谷スペイン坂を登りきった場所にそびえる「渋谷ライズビル」は、建築家・北川原温(きたがわら あつし)の建築デザインによるポストモダン建築の傑作です。1986年に完成したこの建物は、機械の内部を思わせるメタリックな外観と階段状のファサードが特徴で、街並みそのものに異次元の緊張感と高揚感を与え、第32回建築業協会賞(BCS賞)を受賞するなど建築界でも高く評価されました。
この前衛的な空間から、日本のカルチャー史に刻まれる数々のムーヴメントが誕生しました。代表的な記録を振り返ると、シネマライズの存在感がいかに突出していたかが分かります。
- 『トレインスポッティング』(1996年):ダニー・ボイル監督による英国青春映画の金字塔。オレンジ色のポスターとアンダーワールドの楽曲が渋谷の街を席巻し、連日立ち見が出る社会現象となりました。
- 『アメリ』(2001年):ジャン=ピエール・ジュネ監督のフランス映画。シネマライズを主会場とした単館上映を発端に火がつき、単館系興行としては異例中の異例となる興行収入約16億円・観客動員数120万人超を記録。スペイン坂に入場待機の長蛇の列が形成されました。
- その他の名作群:『レオン』『バッファロー'66』『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』など、時代の空気感を決定づける作品群をいち早く発信しました。
映画館という枠を超え、「シネマライズが選ぶ作品なら間違いない」という強固なキュレーション・ブランドを確立したことが、90年代のいわゆる「渋谷系」カルチャーとの幸福な共振を生み出していました。