70代の血圧はどこまで大丈夫?基準値と健康寿命を延ばす新常識
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昭和から平成初期にかけて、「上の血圧は年齢に90を足した値までなら正常」と語られる時代があった。この計算式に従えば、75歳なら165mmHgまで問題ないことになる。だが、現代の循環器内科学における膨大なエビデンスは、この俗説を明確に退けている。血圧が140mmHgを超えた状態を放置すれば、たとえ自覚症状がなくても血管壁は着実に傷つき、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞の発症リスクが跳ね上がるからだ。
日本の予防医学の草分けであり、100歳を超えて現役医師として活躍した日野原重明氏は、早くから「生活習慣病」という概念を提唱し、数値の奥にある患者の生活背景に目を配ることの大切さを説いていた。血圧は単なる機械のメーターではない。日野原氏が指摘したように、過度な安心感を与える古い俗説に逃げ込むことなく、自身の身体が出している微細なサインに耳を傾ける姿勢こそが、結果として血管の寿命を延ばす鍵になる。