無性にしば漬けが食べたい理由とは?体のサインと名店の味を徹底解剖
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しば漬けを語る上で見落としてはならないのが、「伝統的な志ば漬け」と「現代の調味しば漬け」は製法も味の構造も全く別物であるという事実です。
しば漬けの発祥は、平安時代末期の京都・大原と伝えられています。源平合戦の悲劇のヒロイン・建礼門院(平徳子)が寂光院に隠棲していた際、大原の里人がナスと赤紫蘇を塩漬けにして献上したところ、その深い赤紫色と爽やかな酸味に感銘を受け「志ば漬(しばづけ)」と名付けたのが始まりとされています。
この由緒正しき大原の伝統製法を受け継ぐ代表格が、創業100年以上の歴史を誇る「土井志ば漬本舗」をはじめとする名店です。本来の志ば漬けの特徴は以下の3点に集約されます。
- 主役はナスであり、きゅうりは入らない:伝統製法では夏に収穫される新鮮なナスと赤紫蘇、粗塩のみを使用。
- 酢は使わず、自然の乳酸菌だけで発酵させる:樽の中で重石をかけ、数ヶ月から1年じっくりと乳酸発酵させることで、独特の奥深い酸味と熟成香が生まれる。
- 無添加で鮮やかな紫色に染まる:赤紫蘇に含まれるアントシアニン色素が、発酵によって生じる乳酸に触れることで鮮烈な赤紫色へと化学変化を遂げる。
一方、私たちがスーパーなどで手軽に購入するパックの多くは、きゅうりを主体にナスを加え、醸造酢や調味料、着色料等で短期間に仕上げた「新しば漬け(調味漬け)」です。どちらが優れているかという優劣ではなく、「乳酸発酵による複雑な酸味と腸活効果」を求めるのか、「きゅうりの小気味よい食感と手軽さ」を求めるのかによって、選び分ける知識が求められます。