チェルノブイリ「象の足」の正体と現在|致死線量と撮影者の真相
チェルノブイリ「象の足」の正体と現在|致死線量と撮影者の真相に関する注目トピックを分かりやすく解説します。関心のある方は必見です。
ネット上には「象の足の写真を撮った人物は撮影直後に即死した」という噂が散見されますが、これは明確な誤りです。「象の足」の最も有名な写真(暗闇の中で白く光る粒子ノイズとともに写る技術者の姿)を撮影したのは、カザフスタン出身の原子力エンジニア、アルトゥール・コルネイエフ(Artur Korneyev)氏です。
1990年代半ば、コルネイエフ氏は調査チームを率いて崩壊した4号機地下に数十回にわたり潜入しました。なぜ彼は即死せずに写真を残すことができたのか。その理由は、綿密な滞在時間管理と撮影技術にありました。
当時、短半減期の放射性同位体が減衰していたことに加え、彼はカメラを三脚に固定し、タイマーをセットして素早く移動する、あるいは鏡を使って死角から遠隔撮影するなど、被曝時間を秒単位で最小化する手法を徹底していました。写真全体に見られる無数の白い斑点やブレは、カメラのフィルムや撮像素子をガンマ線が直接貫通したことによって生じた放射線ノイズです。
コルネイエフ氏は長年にわたる高線量環境での作業により白内障などの重篤な健康障害を負いましたが、即死することなく生き延び、チェルノブイリの廃炉・防護対策において極めて重要な内部データを後世に残しました。