サントリーオールドCm大全|名曲「夜が来る」誕生秘話と歴代名作の軌跡

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サントリーオールドのCMが伝説と呼ばれる最大の要因は、実力派俳優たちによる計算し尽くされた心理描写にあります。台詞を極限まで削ぎ落とし、視線や手の動き、わずかな間(ま)で物語を語らせる手法は、歴代のキャスト陣によって見事に体現されました。

1980年代初頭、日本中を釘付けにしたのが田中裕子氏の出演シリーズです。雪降る港町の小料理屋を舞台に、どこか訳ありの女将と客の男のやり取りを描いた一編は、今なお語り草となっています。なかでも「タコなのよ、タコ。タコが言うのよ」という、一見すると不条理でありながら深い情感を宿した台詞は、コピーライター仲畑貴志氏の手によるものであり、大人の男女の切ない距離感を鮮烈に描き出しました。

1990年代に入ると、長塚京三氏と田中美佐子氏が共演したオフィスドラマシリーズが社会現象を巻き起こします。「恋は、遠い日の花火ではない。」というキャッチコピー(西村佳也氏作)とともに、部下からの密かな好意に戸惑いながらも自制する中高年男性のダンディズムを長塚氏が好演。過度なアプローチをせず、バーのカウンターで静かにグラスを傾ける佇まいは、バブル崩壊後の日本社会において「良質な成熟」の象徴として圧倒的な支持を集めました。

そして2000年代以降、多くの視聴者の涙を誘ったのが國村隼氏を父役に迎えた「家族の絆」シリーズです。娘の結婚前夜や、久しぶりに帰省した息子との晩酌など、言葉にできない親子の情愛をオールドのボトルを介して表現。人生の節目に寄り添う酒としてのブランドイメージを決定づけました。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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