みかん生産量日本一は愛媛か和歌山か?首位交代の真相と最新ランキング
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「みかんといえば愛媛県」というイメージは、決して根拠のない都市伝説ではありません。実際、昭和49年(1974年)から平成15年(2003年)に至るまでの実に34年連続で、愛媛県がみかん収穫量日本一に君臨していました。学校給食での提供や「ポンジュース」の圧倒的なテレビCM展開など、メディア露出を通じた国民的ブランド刷り込みが完成したのがまさにこの昭和の黄金期でした。
潮目が完全に変わったのは、平成16年(2004年)のことです。この年の農林水産省作況調査において、和歌山県のみかん収穫量が愛媛県を逆転し、実に35年ぶりとなる全国1位を奪還しました。当時の青果業界や地元農業協同組合には激震が走りましたが、これは単なる天候不順による一時的な番狂わせではありませんでした。それ以降、現在に至るまで20年以上にわたって和歌山県が1度も首位の座を譲ることなく独走を続けています。
なぜ34年間も首位を守り続けた愛媛県が王座を明け渡したのか。愛媛県みかん生産量推移の裏側には、愛媛県の農業政策における「高度な戦略的構造転換」が存在します。1970年代初頭の生産過剰による「みかん大暴落」を経験した愛媛県は、コモディティ化しやすい普通温州みかんの一本足打法からいち早く脱却を図りました。伊予柑の増産を皮切りに、デコポン(不知火)、清見、せとか、そして近年圧倒的人気を誇る「紅まどんな(愛媛果試第28号)」や「甘平」といった、高単価で取引される高級中晩柑類への計画的な品種転換を急速に進めたのです。
その結果、愛媛県は「温州みかん単体の収穫量」こそ意図的に抑制され和歌山県に首位を譲ることとなりましたが、中晩柑を含めた柑橘類生産量日本一の座は不動のまま維持しています。これに対し、和歌山県は「温州みかんという国民的定番果実を、誰にも真似できない超高品質とコスト競争力で極める」という道を選択しました。この経営判断の分岐こそが、長年語り継がれる首位交代の決定的な真相です。