『わらぐつの中の神様』あらすじと結末!伝えたいことや心情変化を解説
『わらぐつの中の神様』あらすじと結末!伝えたいことや心情変化を解説にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。
本作を深く理解する上で欠かせないのが、現在と過去が美しく交錯する「額縁構造(フレーム・ストーリー)」です。物語は、現代(物語の現在)に生きる少女・マサエの日常から静かに始まります。
大工仕事の手伝いで汚れた靴を履くことや、古い道具を使うことに不満を漏らすマサエ。そんな孫の姿を見た祖母の「おみつさん」が、自らの少女時代の思い出を優しく語り聞かせる形で、内側の物語(過去の回想)へと入っていきます。
大雪が降る冬の山村。少女だったおみつさんは、家計を助けるために夜なべをして「わらぐつ」を編みます。しかし、器用に細工された綺麗な雪ぐつと比べると、おみつさんの作ったわらぐつは不格好で、分厚く、見栄えがしませんでした。町へ売りに出しても誰も見向きもせず、おみつさんは恥ずかしさと惨めさでいっぱいになります。
そこへ現れたのが、大工の若い衆・茂平でした。茂平はおみつさんの不格好なわらぐつを手に取り、その作りの頑丈さと、履く人の足を冷えから守ろうとする並々ならぬ気配りに気づきます。「これはいいわらぐつだ。わらぐつの中に神様がいなさるようだ」と称賛し、二足ともすべて買い取っていったのです。
物語の結末では、その心優しい大工の若い衆・茂平こそが、マサエの祖父(亡きおじいさん)であったという驚きと温もりに満ちた事実が明かされます。不満を抱いていたマサエの心に、祖父母が紡いできた温かな絆と、物を大切にする精神が静かに灯り、物語は幕を閉じます。