ワンチャンを流行らせた人は誰?麻雀発祥説の真相と若者言葉の歴史
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大学生スラングの歴史を振り返る上で、2008年から2012年頃のサークル文化・合コン文化の熱量は外せません。当時の大学生コミュニティにおいて、「ワンチャン」はもっぱら性的なニュアンスや深夜の悪ノリと結びついて消費されていました。
「終電逃したけどワンチャン泊まれるかも」「テスト勉強してないけどワンチャン単位取れるんじゃね?」といった使い方は、男子学生特有の根拠なき万能感と照れ隠しを絶妙に代弁していたのです。当時のキャンパスライフを経験した世代の証言にも「『無理かもしれない』と弱音を吐く代わりに『ワンチャンある』と言うことで、プライドを保ちながら場を盛り上げられた」という心理的背景が多く語られています。
その後、2013年頃からこの言葉はスマートフォンの急速な普及とともに、渋谷を中心とする女子高生(JK)マーケットへ越境します。ここで起きた決定的なパラダイムシフトが「確率の希釈化」です。
女子高生たちは「ワンチャン今日雨降るかも」「ワンチャンその服買うわ」といったように、一世一代の勝負どころではなく、「ひょっとしたら」「たぶん」程度の軽い副詞として転用しました。さらに「フルチャン(高確率)」「ノーチャン(可能性ゼロ)」といった対偶表現を量産したことで、表現の幅が一気に拡大。2014年の『JC・JK流行語大賞』やギャル流行語ランキングでトップ集団にランクインしたことで、テレビの朝の情報番組が一斉に取り上げ、全国津々浦々の茶の間へと一気に定着していきました。