北京の街角で追った、中国人がマスクを着け続ける衝撃の理由とは
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朝のラッシュ時、北京地下鉄1号線の車内。乗客の着用率は目測で3割から4割程度を行き来する。全員が画一的に着用していた数年前とは異なり、外す自由と着ける合理性が個人の判断に委ねられた結果の数字だ。
「義務だから着けている人なんて、もう周囲にはいませんよ」。そう語るのは、金融街の国貿で働くITエンジニアの張さん(32)だ。彼がポケットから取り出したのは、個別包装された立体型の不織布マスクだった。「冬場の強風、乾燥、それに混雑した車両内でのウイルス感染リスク。体調を崩して仕事を休むコストを考えれば、数百円のマスクで自衛するほうが圧倒的に割に合うんです」。
中国国家衛生健康委員会や中国疾病予防控制センター(China CDC)が発表する季節性呼吸器疾患のモニタリング情報は、今や市民が天気予報と同じ感覚でチェックする日常指標となった。当局による上からの統制ではなく、個々人がリスクを冷徹に計算した末のセルフディフェンス。これこそが現地取材で突きつけられた、マスク着用実態の飾らない真実である。