ゲノムと遺伝子とDnaの違いは?2026年最新の医療と技術を完全解説
ゲノムと遺伝子とDnaの違いは?2026年最新の医療と技術を完全解説の基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点でまとめました。
生命科学の歴史を塗り替えたのが、2020年にノーベル化学賞を受賞したゲノム編集ツール「CRISPR-Cas9(クリスパーキャス9)」です。
クリスパーキャス9の仕組みは極めて合理的です。標的とするDNA配列を認識して案内する「ガイドRNA」と、DNA鎖を切断するハサミの役割を持つ酵素「Cas9」の複合体を用います。狙った位置を数塩基の狂いもなく切断し、細胞が自らを修復しようとする過程を利用して、特定の遺伝子を不活性化(ノックアウト)したり、新たな配列を正確に挿入したりします。
ここで混同されやすいのが遺伝子組み換えとゲノム編集の違いです。
- 遺伝子組み換え技術:異なる生物種(例:土壌細菌など)から取り出した外来の遺伝子を、対象生物のゲノム内にランダムに挿入する技術。自然界の交配では起こり得ない組み合わせが生じる。
- ゲノム編集技術:その生物自身が本来持っているゲノムの特定部位をピンポイントで切断・改変する技術。自然界で起きる突然変異や従来の品種改良と同等の変化を、圧倒的な短期間・高精度で実現する。
ゲノム編集技術最新動向としては、DNAを切断せずに特定の塩基だけを書き換える「塩基編集(Base Editing)」や「プライム編集(Prime Editing)」が実用段階に入っています。鎌状赤血球症に対する初のゲノム編集治療薬「Casgevy」の承認など、難治性遺伝疾患の根治治療に向けた開発が世界中で加速しています。