武の井酒造「青煌」なぜ人を魅了?幻のつるばら酵母と地酒の全貌

武の井酒造「青煌」なぜ人を魅了?幻のつるばら酵母と地酒の全貌に関するポイントを詳しくまとめました。詳細な解説をご覧ください。

日本酒ファンが「青煌」を口にした際、一様に驚きの声を上げるのが、華やかさと静謐さが同居した独特の香味構成です。多くの芳醇旨口酒やアロマ系日本酒が立ち香(グラスから立ち上る香り)を強調する中、青煌は初夏に咲く野バラを想起させる慎ましやかな芳香と、驚くほど軽快なファーストアタックを見せます。

その核となるのが、東京農業大学短期大学部醸造学科酒類研究室で分離・開発された「花酵母」、とりわけ「つるばら酵母」の存在です。日本酒造りにおいて広く用いられる協会酵母(きょうかい酵母)が安定した発酵力と画一的な酒質管理を強みとする一方、自然界の花弁から採取される花酵母は温度管理や栄養管理が極めてシビアであり、杜氏の卓越した技量なしには制御できません。

つるばら酵母がもたらす最大の特徴は、爽快感を伴う良質なリンゴ酸とコハク酸の絶妙なバランスです。甘ったるさを残さず、スッと一本の筋が通ったようなシャープな酸味が、米のふくよかな旨味を包み込みます。この精密な香味設計を支えているのが、八ヶ岳の伏流水です。花崗岩層を気の遠くなるような歳月をかけて浸透してきた地下水は、過度なミネラルを含まない極めてピュアな軟水であり、繊細な酵母の個性を濁りなく引き出す理想的な仕込み水となっています。

「清流のような透明感」と形容される酒質は、単なる偶然ではなく、科学的な酵母選択と八ヶ岳南麓のテロワール、そして極限まで無駄を削ぎ落とした醸造設計が合致した必然の成果なのです。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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