ベイプで肺に水がたまる噂の真偽|肺水腫と急性肺障害の医学的真実
ベイプで肺に水がたまる噂の真偽|肺水腫と急性肺障害の医学的真実にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。
病院に駆け込んだ患者に対して行われる電子タバコ 肺の影 レントゲン検査や高分解能CT(HRCT)では、極めて特徴的な画像所見が確認されます。健康な肺は空気を通すためレントゲン上では黒く映りますが、ベイプによる重症患者の肺は、まるで吹雪に覆われたかのように白く濁る「広範なすりガラス様陰影(Ground-Glass Opacity)」を呈します。
この白い影の正体は主に以下の2つの病態です。
一つは前述した浸出液による「肺水腫・急性間質性肺炎」です。肺胞壁が腫れ上がり、内部に体液が溜まることでX線が透過できなくなります。もう一つが、ベイプ特有の疾患である「リポイド肺炎(外因性脂質性肺炎)」です。リキッドに含まれる香料オイルや脂質性添加物の微粒子を長期間吸入し続けた結果、肺胞マクロファージが油滴を貪食して処理しきれなくなり、油を抱え込んだ細胞が肺胞内に蓄積して肉芽腫を形成します。
リポイド肺炎で一度破壊・線維化された肺胞組織は、元の柔軟な状態に再生することはありません。若くして慢性的な呼吸機能低下や運動耐容能の喪失という、生涯にわたる後遺症を背負うケースが報告されています。