親と縁を切る方法は?法的真実と住民票・戸籍手続きの完全ガイド
親と縁を切る方法は?法的真実と住民票・戸籍手続きの完全ガイドについて見逃せない 注意点を厳選して解説いたします。
物理的な絶縁を果たした後に直面する現実的な問題が、「親の金銭的困窮や介護」および「親の死」に伴う法律問題です。
民法第877条第1項には「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と明記されています。親が生活保護を申請した際、福祉事務所から子どもの元へ「扶養照会」と呼ばれる調査書が送られてくるケースが頻発しています。しかし、親の扶養義務を拒否する理由は、制度上明確に認められています。過去に親からの虐待、暴力、著しい遺棄、あるいは長期にわたる音信不通(概ね20年程度、または関係破綻が明白な場合)があった場合、厚生労働省の運用要領に基づき、扶養照会そのものを停止させることが可能です。
福祉事務所から照会書が届いた際は、決して放置せず、「過去の虐待・ネグレクトにより関係が破綻しており、精神的苦痛から一切の金銭的・精神的援助を行えない」旨を明確に記載して返送します。扶養義務は「自分の生活を犠牲にしてまで親を養う義務(生活保持義務)」ではなく、余力がある範囲での「生活扶助義務」にとどまるため、強制的に親の借金や生活費を背負わされる心配はありません。
もう一つの落とし穴が、相続放棄と遺留分の注意点です。親が生前に背負った借金や未払いの入院費・施設費は、親の死亡によって自動的に法定相続人へ引き継がれます。絶縁状態であっても相続権は剥奪されないため、親が他界したことを知った日から3か月以内に家庭裁判所で「相続放棄の申述」を行わなければ、親の負債をそのまま背負わされることになります。また、生前に「遺留分(民法で保障された最低限の遺産取り分)」を子どもの側から一方的に放棄させることは家庭裁判所の許可が必要であり、親の財産を巡るトラブルを避けるには、死亡後の迅速な相続放棄手続きが決定的な防壁となります。