「工場萌え」の仕掛け人・大山顕の現在と経歴!新写真論の評価も徹底解説
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都市の風景を独特の解像度で切り取る大山顕のバックボーンには、一般的な芸術系写真家とは大きく異なる理系・産業界での実務経験が存在します。公式プロフィールやインタビューによると、1972年生まれの大山顕は千葉大学工学部工業意匠学科を卒業後、松下電器産業(現パナソニック)に入社。商品開発や将来予測を担うシンクタンク部門に10年間にわたって在籍していました。
工業デザインを学び、テクノロジーと社会の関係性を冷徹に分析するリサーチ業務に携わっていた経験は、のちの観察手法に決定的な影響を与えています。幼少期に工業地帯の近くで育ち、巨大な建造物や配管の幾何学的な美しさに親しんでいた感覚が、シンクタンク時代に培われた構造化・体系化の思考と結びついたのです。
転機となったのは、人気ウェブサイト「デイリーポータルZ」への参加でした。2000年代初頭、インターネット黎明期の熱気の中で発表された大山顕の記事群は、街の些細な構造物や高架下を徹底的に面白がるスタイルで一躍人気を集めます。サラリーマン生活と並行して執筆や写真撮影を続けていましたが、自らの探究心を追求するために会社を退職。自らを単なる写真家ではなく、街を鑑賞する主体としての「都市鑑賞者」と定義し、プロフェッショナルとしての独立を果たしました。