伊予鉄スポーツセンター閉館の真相と跡地の今|再開の噂と愛媛の苦悩
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伊予鉄スポーツセンターが最終営業日を迎えたのは、2024年1月28日のことでした。1965年(昭和40年)12月のオープン以来、実に58年余りにわたり松山都市圏のレジャーを支え続けてきた名門施設の幕引きは、愛媛県内外に大きな衝撃を与えました。営業終了の背景には、単なる利用客の増減にとどまらない、複合的かつ構造的な経営危機が存在していました。
運営母体である伊予鉄道株式会社(現・伊予鉄グループ)が公式発表や決算説明の場等で言及した最大の要因は、建物の極度な老朽化と耐震基準への不適合です。1981年の建築基準法改正以前に建てられた旧耐震基準の構造物は、震度6強以上の大規模地震が発生した場合の倒壊・崩壊リスクが懸念されていました。特に不特定多数の市民や子どもが集まる大型スポーツ施設において、現行の耐震基準を満たすための補強・全面改築は急務となっていましたが、試算された改修費用は数十億円規模に達し、民間一企業が負担できる投資回収の限度を大幅に超過していました。
追い打ちをかけたのが、2020年代以降に深刻化したエネルギー価格の高騰です。巨大なスケートリンクの冷却設備やプールの循環・水温管理システムは莫大な電力を消費します。ロシア・ウクライナ情勢以降の電気料金急騰は施設のランニングコストを直撃し、毎月数百万円単位でのコスト増が収益構造を圧迫しました。少子化に伴う中長期的なプール・スケート利用者の減少トレンドと相まって、もはや営業を継続するほど赤字が累積する状況に追い込まれていたのが、閉館決断の真実です。