乾燥帯の国はどう生き抜く?砂漠とステップの差と生活の知恵を徹底解剖

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乾燥帯の国々を旅した者が一様に驚くのは、外気温が45度を超える酷暑の屋外から一歩建物に入ったときの、ひんやりとした空気の心地よさです。サウジアラビアやエジプト、イラクといった中東北アフリカ乾燥地帯では、電力のない時代から自然の摂理を巧みに応用したシェルター技術を確立してきました。

その代表格が、泥と藁を混ぜて天日で固めた乾燥帯住居日乾しレンガです。粘土質の土で作られた分厚い壁は極めて高い熱容量を持ち、日中の猛烈な日射熱を内部に通さず蓄熱します。そして気温が急降下する夜間にゆっくりと熱を放出し、室内の温度を一定に保つ天然のサーモスタットとして機能します。窓を極端に小さく設計して直射日光と砂塵の侵入を防ぎ、天井に風通し用の通風塔(バードギール)を設けて気流を生み出す設計は、現代のエコ建築の原点とも評されます。

衣類にも驚くべき生存の科学が宿っています。現地の人々が着用する乾燥帯伝統衣装特徴を見ると、サウジアラビアの「トーブ」やアラブ首長国連邦の「カンドゥーラ」のように、全身を包み込むゆったりとした長袖のローブが主流です。「暑いなら半袖になればいいのではないか」と考えがちですが、直接肌を外気に晒せば直射日光で皮膚が熱傷を負い、体内の水分が一気に蒸発して脱水症状を引き起こします。布地と肌の間にゆとりを持たせることで、動くたびに空気の対流が起き、汗が気化する際の吸熱反応によって体感温度を下げる仕組みが完成しているのです。頭部を包むターバンやクーフィーヤも、強い紫外線と吹き荒れる砂嵐から呼吸器や目を守る必須の防具です。

松本 悠斗

松本 悠斗

サステナビリティ研究家

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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