緊急地震速報の音はなぜ怖い?恐怖を煽る不協和音に隠された衝撃の真相

緊急地震速報の音はなぜ怖い?恐怖を煽る不協和音に隠された衝撃の真相とは一体何なのか? 主要なファクトを整理してお届けします。

緊急地震速報を耳にした瞬間に生じる強烈な不快感と警戒心は、個人の気の持ちようや臆病さによるものではありません。音響心理学および神経生理学の観点から、人間が本能的に危険を察知せざるを得ない音響設計が緻密に施されているからです。

最大の要因は、音階の中に組み込まれた不協和音の存在です。人間は、周波数の比率が単純な整数比にならない2つ以上の音が同時に鳴ると、脳の処理に強い負荷がかかり、それを「不快」「異変」「危機」として認識します。緊急地震速報で用いられる和音は、あえて完全な調和を避け、わずかに音程をずらした複雑な倍音構成を持たせています。これにより、脳の扁桃体(情動や恐怖を司る部位)が瞬時に反応し、交感神経が急激に活性化されて「闘争・逃走反応」が引き起こされる仕組みです。

また、音の立ち上がり(アタック)が鋭く、かつ余韻を残さずに急速に減衰する特徴も重要です。自然界においてこのような急峻な音響変化は、落石や雷、猛獣の急襲など生命の危機を知らせるシグナルに他なりません。人間が進化の過程で獲得してきた防衛本能のスイッチを、音響技術によってダイレクトに押し込むよう設計されているからこそ、私たちは心臓を鷲掴みにされたような恐怖を感じるのです。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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