負圧とは?仕組みと正圧との違い・ドアが重い原因を専門家が解説

負圧とは?仕組みと正圧との違い・ドアが重い原因を専門家が解説の背景について、分かりやすい解説を基に徹底解説します。

医療施設や感染症指定医療機関において、呼吸器感染症の拡大を防ぐ防波堤となっているのが「負圧室(陰圧室)」だ。日常会話やニュース報道では「負圧」と「陰圧」という2つの単語が混在して用いられるが、この両者に物理的な違いはあるのだろうか。

結論から言えば、工学・物理学的なメカニズムは完全に同一である。空調設備や建築環境工学の専門用語では「負圧(Negative Pressure)」と呼び、医学や薬学の臨床現場では古くからの慣習として「陰圧」と表現することが多い。学術的なアプローチの違いに過ぎず、どちらも周囲より気圧を下げて空気の流出を遮断する状態を指している。

厚生労働省のガイドラインや米国CDC(疾病予防管理センター)の基準に基づき設計される感染症病床では、前室(緩衝地帯)を挟んで病室本体をマイナス2.5Paからマイナス8.0Pa以上の負圧に維持することが義務付けられている。気圧勾配(廊下>前室>病室)を緻密にコントロールすることで、医療従事者がドアを開閉した瞬間でも、廊下の清浄な空気が病室内へ流れ込む一方、室内の空気は決して外へ漏れ出さない。

病室から強制排気される汚染空気は、ウイルスや細菌を99.97%以上捕集するHEPAフィルターを通過して無毒化された後、屋上などの安全な場所から屋外大気中へ放出される。目に見えない差圧を壁面のマノメーター(微差圧計)でミリパスカル単位で常時監視し、万が一負圧が崩れた場合はアラームが鳴動するシステムが組まれている。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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