上皮化とは?治癒完了のサインや日数・白い組織の正体を徹底解説
上皮化とは?治癒完了のサインや日数・白い組織の正体を徹底解説についての疑問解決ガイドを徹底解説します。
傷口を保護シートやハイドロコロイド絆創膏で覆ってケアしていると、数日後に傷の表面が白っぽく変化し、時にはドロッとしたゼリー状の膜が付着していることがあります。この光景を見て「化膿してしまった」「バイ菌が繁殖したのではないか」と慌ててガーゼでゴシゴシ擦り落としたり、消毒液を吹きかけたりする人が非常に多く見受けられます。
しかし、この上皮化における白い組織の正体の大半は、化膿による膿(うみ)ではなく、以下のいずれかです。
第一に、新しく生まれて移動してきた「未熟な表皮細胞の集合体」です。生まれたばかりの薄い角質層は、水分を含むと白く半透明にふやけて見えます。第二に、創傷治癒の足場となる「フィブリン(線維素)の薄膜」です。フィブリン網は細胞が移動するためのレールのような役割を果たしており、これ自体は正常な修復反応の一環です。第三に、湿潤療法によって皮膚が適度に湿った状態(浸軟傾向)にある健常組織です。
本物の膿(感染)と正常な治癒組織を見分ける境界線は、付随する症状にあります。感染を起こしている場合、創部の強い自発痛やズキズキする拍動痛、傷の周囲数センチにわたる激しい赤み(発赤)、局所の熱感、そして腐敗臭のような強い悪臭を伴います。一方、上皮化の過程で見られる白い組織は痛みがほとんどなく、無臭であり、傷の周囲の皮膚は落ち着いた肌色を保っています。
ネットの質問箱などでは「白い膜を取り除いたら血が出た」という悲痛な相談が散見されますが、これはせっかく傷を塞ごうと懸命に移動してきた表皮細胞を自らの手で削り取ってしまった状態です。悪臭や激痛がない限り、白い膜を無理に洗い流したり剥がしたりしてはいけません。