巨匠・横山大観の光と影!『無我』や富士山に秘められた真実と最新評価
巨匠・横山大観の光と影!『無我』や富士山に秘められた真実と最新評価の要点や背景をコンパクトにまとめました。全体像を一目で把握できます。
大観の数ある作品の中でも、初期の最高傑作として名高いのが1897年に発表された代表作『無我』(東京国立博物館蔵など)です。粗末な着物をまとったあどけない童子が、ぽかんとした表情で佇む姿を描いた一幅。この絵の根底にあるのは、仏教や禅の根幹思想である「無我の境地」です。
大観は「無我」という難解な哲学的概念を、小難しい理屈ではなく、何者にもとらわれない無邪気な子どもの無心さに見出しました。画面に漂う透明感と童子の純粋な佇まいは、観る者の雑念を払い落とすような静けさを湛えています。激しい批判の嵐に晒されていた若き日の大観が、自らの創作への覚悟を静かに問うた記念碑的作品でもあります。
そして大観を語る上で欠かせないのが、生涯を通じて描き続けた「富士山」です。制作した富士の絵は実に2000点以上とも言われます。大観にとって富士山は単なる美しい風景画の題材ではありませんでした。「富士を描くということは、自分自身の心を描くことである」と語った通り、富士は大観にとっての魂の自画像であり、日本精神の象徴そのものでした。
群青と金泥の鮮烈な対比が眩しい『群青富士』や、気高い朝日に照らされる『日出処日本』など、大観の描く富士山には鑑賞者を圧倒する神々しさと強靭な生命力が宿っています。