なぜ「不自由を常と思えば不足なし」なのか?徳川家康の真意を徹底解説

なぜ「不自由を常と思えば不足なし」なのか?徳川家康の真意を徹底解説の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。

「不自由を常と思えば不足なし」という一節は独立した格言としても親しまれていますが、本来は「東照公遺訓 全文(東照公御遺訓)」と呼ばれる一連の教えの中に位置づけられています。「不自由を常と思えば不足なし 続き」を知ることで、この名言が持つ立体的な意味合いがより鮮明に浮き彫りになります。

静岡県の久能山東照宮や栃木県の日光東照宮などに伝わる原文と、その現代語訳を以下にまとめました。

【東照公御遺訓 全文】

人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。
不自由を常と思えば不足なし。
心に望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え。
勝つ事ばかり知りて、負くる事を知らざれば害その身にいたる。
己を責めて人を責めるな。
及ばざるは過ぎたるよりまされり。

【各節の現代語訳と解説】

1. 人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。
(人の一生は、重い荷物を背負って果てしなく遠い一本道を歩き続けるようなものだ。決して焦って急いではならない)
人生という長旅を短距離走のように捉えて性急に結果を求めると、途中で息切れして自滅します。持久力こそが最大の資質であると戒めています。

2. 不自由を常と思えば不足なし。
(思い通りにならないのが日常の基本だと心得ていれば、不満を感じることはない)
あらゆる戦略の土台となる精神的な防壁です。

3. 心に望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。
(心の中に際限のない欲望や野心が湧き上がってきたなら、かつてどん底で困り果てていた時の苦しさを思い起こせ)
調子が良い時ほど人は過剰なリスクを取りがちです。原点の苦境を想起することで、足元をすくわれる暴走を防ぎます。

4. 堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え。
(耐え忍ぶことこそが無事に長く平穏を保つ基盤であり、一時の怒りは自分を破滅させる最大の敵と心得よ)
感情の爆発はそれまで築き上げた信頼や立場を一瞬で灰燼に帰します。アンガーマネジメントの重要性を端的に突いています。

5. 勝つ事ばかり知りて、負くる事を知らざれば害その身にいたる。
(勝ち続けることの快感ばかりを追い求め、負けたときの痛切さや引き際を知らなければ、必ずその身に災いが降りかかる)
連勝の驕りが最大の落とし穴になるという、戦国を生き延びた武将ならではの勝負哲学です。

6. 己を責めて人を責めるな。
(問題が起きたときは、まず自分自身の至らなさを省みよ。決して他人を責め立てて責任転嫁してはならない)
他責思考を捨て、自省によって自己の統御力を高めるリーダーシップの真髄です。

7. 及ばざるは過ぎたるよりまされり。
(物事は少し足りないくらいの方が、やり過ぎて度を越してしまうよりもはるかに優れている)
『論語』の「過ぎたるは猶及ばざるが如し」をさらに一歩進め、過剰であることのリスクを極度に警戒した家康らしいプラグマティズムが表れています。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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