【衝撃の真相】『ムンクの叫び』は叫んでいない?耳を塞ぐ理由と4枚の違い

【衝撃の真相】『ムンクの叫び』は叫んでいない?耳を塞ぐ理由と4枚の違いに関する基本知識を初心者にも親しみやすくまとめました。要点を確実におさえることができます。

『ムンクの叫び』という呼び名があまりにも定着しているため、多くの人が「中央の奇妙な人物が絶叫している場面」と認識しています。しかし、この解釈は作品の構図とムンクの意図を正反対に捉えてしまっています。描かれている人物は自ら叫んでいるのではなく、周囲に響き渡る叫び声に耐えかねて耳を塞いでいるというのが美術史における明白な事実です。

この事実を証明する最大の根拠が、ムンクが本連作に付けた本来のタイトルです。ドイツ語での原題は『Der Schrei der Natur(自然の叫び)』。つまり、叫んでいる主体は人間ではなく「大自然そのもの」なのです。

ムンクは1892年1月22日、フランスのニース滞在中に執筆した日記の中で、この絵の着想を得た瞬間の体験を克明に書き残しています。

「二人の友人と道を歩いていた。日が沈み、突然空が血のように赤く染まった。私は立ち止まり、疲労困憊して手すりに身を預けた。青黒いフィヨルドと街の上に、炎の舌と血が広がっていた。友人たちは歩き続けたが、私は不安に震えながら立ち尽くしていた。そのとき、大自然を突き抜けていく、果てしない叫びを感じたのだ」

画面奥に見える2人の同行者は何事もなかったかのように歩き去っています。しかし、極度の神経過敏状態にあったムンク(=中央の人物)だけが、夕暮れの空が発する圧倒的な波動を「世界の断末魔のような叫び」として知覚してしまいました。あの象徴的なポーズは、大自然の叫びから自らの精神を守るため、必死に両手で耳を塞いでいる防衛の姿そのものなのです。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest