新宿スンガリーの真価|老舗ロシア料理が半世紀以上愛される理由
新宿スンガリーの真価|老舗ロシア料理が半世紀以上愛される理由の基本情報から最新動向までを一挙に解説しました。
新宿スンガリーの物語は、昭和32年(1957年)、シンガーソングライター・加藤登紀子氏の両親である加藤幸四郎氏と淑子氏によって始まった。店名の「スンガリー」とは、ロシア語で旧満州(現・中国東北部)を流れる大河「松花江(スンガリ川)」を意味する。
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戦前のハルビンは、東清鉄道の要衝として多くのロシア貴族や文化人が移住し、ヨーロッパ文化とロシアの伝統、東洋の食材が見事に融合した国際都市であった。加藤夫妻はそのハルビンで青春を過ごし、現地の一流シェフたちから直伝された本格的なスラヴ料理の味を日本へ持ち帰った。当時の手記や関係者の証言によると、創業当時の東京ではビーツやサワークリームといった基本食材の入手すら極めて困難であり、本物の味を再現するために農家と直接交渉して西洋野菜を栽培してもらうなど、並々ならぬ執念が注がれたという。
現在でも同店は単なる一国の料理店にとどまらず、ロシア、ウクライナ、ジョージア、アルメニアなど、かつてハルビンで親しまれたコーカサスや中央アジアの広大な食文化を正統に継承している。加藤登紀子氏自身も折に触れて店を訪れ、音楽活動とともに家族の絆と文化遺産としてのスンガリーを支え続けている。