しいたけの種類と選び方決定版!どんこ・香信の違いや栽培法を徹底解剖

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生椎茸・干し椎茸を問わず、しいたけの品質とキャラクターを根底から決定づけるのが「栽培方法の分岐」です。市場には大きく分けて原木(げんぼく)栽培と菌床(きんしょう)栽培という2つのアプローチが共存しています。

原木栽培は、クヌギやコナラといった天然の広葉樹を伐採した丸太にドリルで穴を開け、椎茸の種菌を打ち込む伝統的な農法です。木陰の林内(榾場=ほだば)に並べ、自然の雨水や温度変化に委ねながら、収穫までに約1.5年〜2年もの歳月を費やします。過酷な外気環境と四季の寒暖差に晒されて育つため、細胞壁が強固に発達し、野生味あふれる重厚な木の香り、奥深い出汁の濃さ、そしてアワビにも例えられる力強い弾力が生まれます。しかし、天候リスクや重労働、後継者不足の影響から、現在国内の生椎茸生産量における原木栽培のシェアは1割を下回る希少な存在となっています。

これに対し、昭和後期から平成を経て流通の主役に躍り出たのが菌床栽培です。広葉樹のおがくずに米ぬか、フスマ、水などを黄金比で配合したブロック状の人工培地を用い、温湿度や二酸化炭素濃度が24時間体制で厳密に制御された空調ハウス内で栽培します。およそ3〜4ヶ月の短サイクルで通年均一な収穫が可能となり、えぐみや雑味が極めて少なく、みずみずしく柔らかな口当たりを実現しました。スーパーでいつでも安定した価格で手に入る生椎茸の約9割以上がこの菌床栽培によるものです。

森林組合や産地の出荷現場を取材した関係者の証言によると、「原木椎茸は森の生態系そのものを食べるようなパンチがあるが、水分の飛びやすさや軸の硬さに合わせた下処理が不可欠。一方で現代の菌床椎茸はアクが弱く、加熱しても縮みにくいため、日常の炒め物やレンジ調理における歩留まりの良さは圧倒的」と語られます。優劣ではなく、求める料理の方向性によって選ぶべき基準が全く異なるのです。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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